義務教育を終えると、様々な選択肢が選べるようになります。
しかし、不登校となると話が変わります。
単位が足りなく、通常の高校には中々入りづらくなり、学力はどうなるかなど、色々な不安が湧き出てくると思います。
ですが、安心してください。不登校でも高校には入れます。
学力がなくても、単位が足りてなくても、高校は入れます。
とはいっても、高校選び、学力、実際に通えるのかどうかの心配も付き物です。
そこで、今回は実際「不登校のための高校の説明会」を実際に行ってきた体験談をもとに、中学生不登校の進路について話していきたいと思います。
現在、不登校のお子さんを持つ人や、実際に不登校になっている人の、具体的な進路目標が見つかれば嬉しいです。
不登校を主軸とした高校には様々はコースがある
不登校の子供や、学校に行けていないけれど、高校の勉強を学びたいという子供を主に受け入れている学校には、多種多様なコースがあります。
大体2~5くらい、一つの高校でコースが選べると思ってください。
じゃあ、どんなコースがあるのか、色々な学校の説明を聞いて、あったコースをお伝えしします。
年1~8回行くコース
このコースは最低限の登校日数に抑え、家での自主学習がメインのコースになります。
家でレポートを書き、最低限学校に通い、スクーリングをして単位を取る。
主に、友達関係が上手くいかなくて、気疲れしてしまう人や、人と関わりたくない人、生活が忙しいけれど、高校には通いたいという人が行くコースです。
ですが、このコースは大体合宿が付いてきます。
年に数回登校しなくていい代わりに、年に1度3日~1週間ほど、学校などに泊まり、勉強をしなければいけません。
合宿がない学校もあるにはあるのですが、大多数があると思っていて構いません。
なので、人と関わるのが苦手な人は、このコースを選ぶときは、必ず合宿があるかどうかを確認してください。
ない学校もあるにはあるので、是非調べてみてください。
月1~2回行くコース
このコースは、月に1~2回登校し、ある程度人と関わるコースになっています。
基本的には、先程説明した家でのレポートと、最低限のスクーリングだけで卒業できるようになっています。
前のコースと似たような感じですが、こちらは合宿がない場合が多いです。
登校日数も先程より多いので、人と関わる機会が増えますが、学校に行ってやることは、レポートの進み具合を先生と確認したり、分からない問題を確認したりするだけなので、ある程度人と関わることが出来る人にお勧めです。
週1~4回行くコース
このコースは、自由度が高く、学校に行く日にちを決めれることが多いです。
自分で計画を立てて、受ける授業を選ぶ形で勉強をします。
大体の学校は、週に1回、全コースの人たちが必ず集まる「総合」という授業が午後にあります。
これは、必ず行かなければなりません。
週1~3回学校に行くコースは週に1度総合があります。
必ず、一度は外に出て人の顔を見なければいけないので、それが向いていなければこのコースに入るのは、お勧めしません。
自由度が高いコースなので、総合だけ行って、基本的に家で勉強し、学校では自分の進み具合を確認する人もいれば、
自分が行きたい授業を選択し、自由に登校して、学校でも家でも学ぶ人など、このコースの中だけでも、色々な通い方が挙げられます。
「自由に登校」と言いましたが、取らなければいけない科目は決まっていて、数学は4回、国語は3回など、その数は必ず学校に行って出席しないといけません。
なので、授業を最低限を受けて単位を取得するのもよし、自主勉が余り得意じゃない場合は数以上出席してもいいので、そこは自由度が高いです。
自分で行きたいときに行って、好きな時に勉強ができる。
これが、このコースの強みです。
文化祭や体育祭などの、行事もありますが、出るのも休むのも個人の自由で決めることが出来るので、少しは友達作って楽しみたいという人にもおすすめのコースです。
1年生は水曜日登校、2年生は木曜日登校など、行く日が決まっている学校もあるので、気になった学校はどんな通い方をするのか調べてみてください。
全日制(週5日)
週5日通うのが全日制です。
前までは、家でのレポート+最低限の学校への登校でしたが、このコースは学校の勉強だけで単位が取れます。
一般的な高校と同じです。
ですが、通信制の高校でこのコースがある所は、一般的な高校と少し違う所があります。
それは始める時間が遅いということです。
通常は、8時15~30分までに登校ですが、不登校を受け入れている高校は、開始時間が9時~10時くらいになります。
朝の通勤ラッシュや、同級生との遭遇を避ける事が出来ます。
終了時間も遅いところもあり、9時30分登校~14時45分下校の高校が実際にありました。
通信制高校の全日制は、不登校や学校に余り行けなかった人達が9割を占めるので、自分と同じ境遇の人と一緒に勉強することが出来ます。
中学校では、週5で通えなかったけど、高校では全日制でも大丈夫という人も全然います。
全日制以外は、人付き合いは最低限、話し合うのも個人の自由という感じですが、全日制は人付き合いもあるし、話し合いも授業内容で勿論あります。
中学では、中々人と話せなかったけれど、自分と近しい人と関わることにより、友達が出来るかもしれません。
行事も豊富ですので、中学では無理だったけれど、高校は楽しみたい!という人にお勧めします。
全日制を考えていない人も、一度選択肢に入れてみてはどうでしょうか?
専門分野を学べるコース
通信制高校には、専門的な分野を学べるコースもあります。
このコースは専門的な事だけやるのではありません。
通常の授業+専門分野をやるので、高校の勉強内容はきちんと学んだうえで、自分の将来役に立てるスキルを、専門家から学ぶことだ出来ます。
例を挙げると、イラスト、パティシエ、ネイル、美容師、eスポーツなどがあります。
学校によっても、扱ってる分野はそれぞれ違うので、自分が学びたい分野がその学校にはあるのか、事前にご確認ください。
このコースは全日制のところもあるし、週3~4日通う所もあります。
基本的に、午前が通常授業、午後が専門授業のところが多いと思います。
高校卒業後は、すぐに就職や専門学校に行きたい、そのためのスキルを身に着けたい人にお勧めです。
中学の勉強内容が終わってない場合
これまで、色々なコースを紹介してきましたが、中学校の勉強が終わってない場合は、どのようなコースに入ればいいのでしょうか?
結論、どのコースでも大丈夫です。
不登校の子供を主に受け入れている高校では、基本授業というのがあります。
この時間では、中学校の勉強内容を復習したり、自分に何が足りないのか、復習する時間が設けられます。
通信制高校では、主にタブレットでレポートを提出したりするのですが、そのタブレットの中に中学校の勉強内容が入っていることが、ほとんどです。
中学校の勉強内容を復習する時間は、全コースにあるので、どこに行っても安心だと思ってください。
さらに、中学校の勉強内容だけではなく、足し算から掛け算など、小学校の勉強内容も復習する学校もあります。
勉強全然出来ない!という人でも大丈夫ですので、学力で入学を戸惑ってる方は安心してください。
じゃあ、中学の勉強内容が終わってる人はどうするの?
勿論、そういう人もいます。
基本授業では、個人のペースで勉強をしていきます。
なので、中学校の勉強内容が終わっている人は、その時間は高校内容の復習、予習をしたり、資格を取りたい場合は、その時間を資格の勉強時間にすることもできます。
自習時間みたいなものだと思ってもらって構いません。
そして、大体の学校の場合、学力ごとにクラス分けがあります。
通信制高校には、多種多様な人が通うので、学力にバラツキがあります。
ずば抜けて勉強が出来る人もいれば、全く出来ない人もいます。
なので、出来る人が進んで多く学べるように、出来ない人にはゆったりとしたペースで着実に学ぶクラス分けがあるのです。
中学の勉強内容が終わってなくても、終わっていても、高校では自分の実力を伸ばすための授業が受けれるので、安心してください。
大学進学はできるのか
これは、少し余談になってしまいますが、不登校を主に受け入れている高校に行って「大学進学出来るのか」少し話します。
残念なことに、学校に通うだけでは無理です。
基本的に通信制の高校では、基礎的な授業しかしません。
高校を最低限卒業できる学力をつけるだけです。
応用的な問題を解いたり、難関問題をしたりするのは、まずないと思います。
誰でも入れて、卒業できるというメリットはありますが、大学受験で使うような応用問題が学べないというデメリットがあるのが、通信制高校です。
大学進学を考える人は、学校と同時に塾に通ったりしている人が多いです。
ですが、学校によっては大学進学を考える人のための「進学コース」があったり、大学受験を備える人のための授業をやっている高校もあります。
高校それぞれ、教育方針は違うので、自分の行きたい学校はどういう方針でどのような授業をしているのか、自分の目で確かめてみてください。
ほとんどの通信制高校は、授業進行が遅いので大学受験をするには自主勉強をしましょう。
中学から高校に行く時は全日制がお勧め
こんだけ色々なコースがあるので、ぶっちゃけどこに行けば良いか分からない、選べない!という人もいるでしょう。
これは、主観的な意見になってしまいますが、中学から高校に行く際は「全日制」がお勧めです。
理由は、2つあります。
1つ目は、勉強において、自分の立ち位置が分からないからです。
自分は何が出来て、何が出来ないのかを自己分析することは、簡単ではありません。
普通高校から通信高校に転校する際には、ある程度自分の能力が自分で分かります。
高校勉強もしているので、基板が出来ている状態です。
しかし、中学から通信制の高校に行ってしまうと、高校勉強を一からすることになり、更に中学の勉強内容が終わっていないと、自分で復習して問題を解かないといけなくなります。
しかも通信制は毎日通わなくてもいいので、週3回、月1回、しか先生に問題の解き方を聞くことが出来ません。
勉強がしたいのに、学べない状態、やる気がない状態になってしまうのです。
それを防ぐための全日制です。
毎日先生と顔を合わせ、通常と変わらない授業をして、自分の立ち位置をはっきりとさせる。
これが一つ目の理由です。
2つ目は、体づくりと人付き合いが多く出来ることです。
家にずっといると、体を思いっきり動かし運動する時間がなく、成長期に必要な運動量を取ることが出来ません。
しかし、全日制にすると学校に行くだけでも、ちょっとした運動になるので、ずっと座りっぱなしという状況を回避することが出来ます。
通信制高校では、体育の授業が月1程度なので、余り体を動かすことが出来ませんが、毎日外に出て特定の場所に通うという活動が出来ます。
太陽光は、ビタミンDを生成して骨を強くし、免疫力を上げる効果があるので、健康状態が良くなるメリットもあります。
そして、全日制コースは、毎日人と顔を合わせます。
同級生と顔を合わせていくうちに、友達なんかも出来るかもしれません。
中学では友達が出来なかったけれど、高校では自分と似た境遇の人たちと仲良くなれる、なんてことは沢山あります。
自分が苦手だった人付き合いが、高校では楽に出来るようになっているかもしれません。
これは、他人と関わらないと分からないことです。
人と関わり、ある特定の場所に毎日通い、健康を作る。
これが2つ目の理由です。
ただ、人にトラウマがあり関わりたくない、自分の勉強スタイルには全日制は合わないという人は、無理に行かないでください。
1番大切なのは、自分の健康状態なので、自分自身と相談しながら進路をお決めください。
途中で通うのが辛くなった場合はどうするの?
全日制コースに興味をもって通ってみたけど、自分には合わなくて通うのが苦痛になってきてやめたい。
週3~4回行くコースに入ってみたいけど、通うのが辛くなってやめたくなったらどうしよう?
こう考えている人は、安心してください。
大体の学校は「途中でコースを変更」することが出来ます。
これは、コースが色々ある高校に限るのですが、全日制コースから週3~4コースや、月1コースなどに変えれる学校がほとんどです。
勿論、週3~4学校に通っていたけど、週5で通いたいので、全日制コースに変更することも出来ます。
なので、全日制には安心して入ってください。
ただ、その学校が途中でコースを変える事が出来るのか、出来ないのか事前に調べてください。
コースを変えれない学校もあるので、そこはご自身でお調べください。
通信制高校は自己推薦が基本!
ここからは、通信制高校の入学方法について説明していきます。
これは、全コース共通しているので、どこに行っても同じ入学方法になると思ってください。
タイトルにもある通り、自己推薦で入ることがほとんどです。
一般入試で、入れる事には入れるのですが、推薦で定員オーバーになっていたり、入試で入ると学力が必要になってくるので、余りお勧めはしません。
自己推薦で入る際には、入学願書以外に、何故学校に入りたいのか書く「作文」と学校に行き「面接」を受ける必要があります。
学校によっては、簡単な試験を受けないと入れない高校もありますが、基本的に「作文」と「面接」で入れると思ってください。
作文では、何故自分がこの高校に入りたいのか、学校に入って何がしたいのか、自分の将来の目標(数学が苦手なので得意にしたい、友達が作りたいなど)を書いて提出します。
この作文用紙は、学校説明会に行ったときに貰う、パンフレットに入っていて、入学願書も同等に入っています。
学校説明会については、後程説明します。
面接では、親同伴でする所もあれば、高校に入りたい本人だけで行かなければならない所もあります。
これは学校によって違うので、是非行きたい高校はどのような面接をするのか聞いてみてください。
面接では、何故高校に入りたいのか、学校で何が学びたいのか、自分の目標、そして人柄を見られます。
真面目に質問に答えていたら、まず落ちることは無いので、余り緊張しないでください。
作文をしっかりと書き、面接では真面目に質問に答える。
これが、自己推薦で入るためにすることです。
そして、通信制高校に入るには、もう一つしなければいけないことがあります。
それは「学校説明会」に行くことです。
通信制は説明会が命!
通信制高校は、学校説明会に行かないとまず入れません。
その学校のオープンキャンパスや合同説明会だったり、入学したい高校の個別相談などに行き、、その学校とつながりを持つ。
これが通信制高校に入るために、大切になってきます。
説明会は、各学校のホームページにどこでやるのか日程が書いてあります。
そこで予約をし、学校に行き説明を聞きます。
個人的には、個別相談で学校の特徴を掴み、合同説明会やオープンキャンパスで生徒や学校の雰囲気を知るのが、良いと思います。
そして、説明会は何度か行った方が、良いです。
大体2~4回ぐらい行けば、ちょうどいいと思います。
説明会では、学校の方針、入学の仕方、コース紹介や学費などの説明を受けます。
その後に、個別相談するところもあれば、体験授業をする所もあります。
説明会に来る人数は、受験生だけだと5~20人、親を含めば10~40人くらいが、平均的に集まります。
人と関わるには、ちょっとまだ心の準備が足りない人は、個別相談会に行くといいでしょう。
とにかく、学校に足を運んで繋がりを持つ。
これが一番大事です。
事前登校があるので安心
学校に入ったはいいもの、慣れるか心配という人はいませんか?
安心してください、「事前登校」があります。
事前登校は、1~3月辺りにあり、実際に入学した高校に行き、ちょっとしたゲームなどをして学校に慣れるために行きます。
そこでは、同級生と顔を合わせたり、先生と話したりして、入学する時に少しでも知っている顔を作る事が出来ます。
なので、0から人間関係を築くのではなく、入学前に基盤を作ったうえで、人付き合いをすることが出来ます。
人見知りなお子さんでも、少し同級生などに慣れる事が出来ている状態で、入学できるので、いきなりスタートに躓くなんて事を減らせます。
学校選びは早めに
通信制高校は遅くても12月までには、学校を決めたほうがいいです。
どの学校も、自己推薦で出願を受け付ける時期は、大体12~1月になることが多いです。
人気な高校だと、9月から受付を始めている所もあります。
そのため、通信制高校選びは早め早めにしておいた方が良いです。
説明会などは、夏休み期間に終わらせておいて、後はじっくりと学校を選んでいくのが、理想的なプランです。
1月を逃してしまうと、後は一般入試で高校に入らないといけなくなるので、余り現実的ではありません。
なので、高校選びは夏休み辺りから始めたら、ゆっくりと考えれる時間が設けれると思います。
7~9月辺りは、どの学校も説明会を開いているところが多いので、そういった意味でも夏休みの時期に、高校を絞った方が良いと思います。
合同学校説明会に行こう
合同学校説明会とは、色々な学校が一か所に集まり、パンフレットを配っていたり相談口を設けている説明会です。
これは、事前予約なしで当日いきなり行くことが出来ます。
大体8~12校の代表者が集まり、個別に聞きたい事を答えてくれます。
これは、個別ではありますが、辺りには人がいます。
人がいる状態で話をしたくない人は、パンフレットだけ取って帰るなんて事も出来るので、一度行ってみてはいかがでしょうか。
説明会は、色々な学校を一気に知る事が出来るチャンスなので、通信制高校に詳しくない、行きたい学校がない人は、是非参加してみてください。
余談になってしまいますが、私の場合は小児科の先生に説明会のチラシを貰い、そこで説明会に足を運びました。
私は月に一度、自分の心境や状況を話す場を取っているのですが、その時に進路の話をして、チラシを貰ったのです。
病院の先生に相談すると、他の不登校の人はどんな進路を辿ったのか、お勧めの進路先など教えてもらえるので、お得です。
更に進路先の相談だけではなく、第三者、しかも不登校の子供と専門的にお話されている先生と話すことによって、自分の心境と向き合えることが出来ます。
行ったことがない人は、一度行ってみてはどうでしょうか。
それ以外には、学校で配られる手紙だったり、自分自身で調べたりする方法があります。
ただ、学校で紹介されている高校は、一般高が多いので、余り宛にしない方が良いと思います。
個人的には、病院の先生と話し紹介してもらうのが、手っ取り早いのでお勧めする方法です。
まとめ
これまでの話を見たら分かる通り、不登校でも進学出来ます。
そして、色々なコースがあるので自分に合った勉強方法で、学ぶことが出来ます。
将来の事が不安なのは仕方がない事です。
色々な選択肢を選ぶことが出来る時代だからこそ、自由すぎるが故の不安を感じやすいです。
選択肢が沢山あり、それを気軽に選ぶことが出来るのも、素晴らしい事ですけどね。
高校入学は、沢山の労力を使うと思います。
自分の人生と向き合うわけですから、疲れるのは当たり前です。
ただ、余り気負わないでください。
通信制高校は、途中でコースを変えれることが出来るので、やり直すことが出来ます。
肩の力を抜いて、進路選びをしてみてください。
自分自身のと相談しながら、自由に高校を決めてみてください。